「サンタさんって本当にいるの?」
たぶん、子どもに聞かれて困る質問ランキング上位の質問だろう。
我が家の息子からも突然同じことを聞かれた。
年齢的にそろそろサンタクロースからも卒業だが、さて、どう答えたものか。
「サンタさんはいるよ。正確に言うと昔はいた、というのが正しいかな」
とりあえずこう切り出してみた。
そう、サンタさんと会った事がある人は多分いないんじゃないかな。
昔は本当にサンタさんがプレゼントを配ってたみたいだけど、今はもう配ってないと思う。
プレゼントを欲しがる子どもが世界中に増えて、サンタさん一人では手が回らないの。
おじいさんが夜中に一人で世界中を回るのは大変だからね。
でもね、サンタさんの意思を受け継いだ人は世界中にいるんだよ。
おもちゃ工場の人たち、おもちゃを運ぶトラックの運転手さん、おもちゃ屋の店員さん、
そして、寝ている子どもの枕元にプレゼントを置くお父さんやお母さん。
みんなサンタさんと同じように、子どもたちの笑顔のためにプレゼントを用意してるの。
だから、あなたが大人になって結婚して子どもが生まれたら、
あなたも自分の子どものためにサンタクロースになってあげてね。
こんな話をしてあげた。
息子は「ふーん」と、納得したかどうか分からない顔をしていた。
そんな話をしたのが3年前。
あれからサンタクロースは我が家に来ていない。
サンタ役をやらせてもらった10年間、12月25日の朝は一年で一番幸せな朝だった。
そんな幸せな朝を忘れかけた今年のクリスマス、我が家にサンタクロースが帰って来た。
25日の朝、目が覚めると私の枕元にプレゼントが置かれていた。
「えっ?」と思って開けてみると、立派な万年筆と「昇進おめでとう」の
メッセージカードが入っていた。
そういえばここ三ヶ月くらい、息子はお小遣いを一生懸命貯金していたようだった。
2022年、息子のサンタクロースデビューは上々だ。
Comments